通夜・葬儀マナーを心得ている会葬者がどれだけいるでしょうか。誰かに教わることがない以上、周囲と調和をとりながら、難を逃れるのがやっとのことでしょう。葬儀マナーの中でも、あまり出席する機会がない「通夜ぶるまいや精進落とし」などの会食に出席する際、どのようなマナーを心得ておけばいいのでしょうか。葬儀においては、故人を偲び、遺族や親族の気持ちを汲み、僧侶のお経に耳を傾けるのは大事な葬儀マナーです。会食も供養のひとつ、遺族からは弔問に来てくれたことへのお礼の意味が含まれていますから、もしも声をかけられたのなら出席しましょう。もちろん、強請ではありません。時間の都合が合わないのならば、お断りしても問題ありません。最近では、自由葬の影響からも精進料理を出す習わしも薄まり、あまりこだわらずに気軽につまめる料理(軽食)が出されています。一口でも口にしましょう。また、食事の作法はわきまえておきましょう。手づかみはしない、箸で食べ物をささない、箸渡しをしないなどが一例です。また、故人とあまり関係のない話題は避けますが、だからといって故人の死因を根ほり葉ほり聞くことは避けましょう。通夜でも葬儀においても、会話の内容は故人との生前の思い出話しであるのが理想的です。遺族が知らない顔について、語り合うのがいいでしょう。また、遺族への配慮ができればいうことなしです。家族をなくされたばかり、加えて通夜や葬儀の取り仕切りで疲労困憊となる気持ちを察しましょう。おいとまする際には、労を労い、励ましの言葉をかけるのもいいでしょう。しかし、あまり時間をとらせない短い言葉や挨拶程度にとどめましょう。故人は賑わいが好きでしたから、という遺族の声かけがあっても、決して大声で騒ぐことは止めましょう。通夜ぶるまいではアルコールも提供されますが、立ち振る舞いには十分に注意が必要です。周りに絡むまで飲まないようにしたいもので、周りも手を差し伸べましょう。